不完全恐怖&加害恐怖
小学に入学して、娘本人は非常に楽しんでいました。しかし、その楽しさとは裏腹に強迫症状は悪化していきました。
不完全恐怖
予想通り、字が書けない。
一つも文字を書くのに何回も書き直している。紙はボロボロになり、真っ黒くなっている。私は、横目で娘が何回も書き直しているのを見ているが、決して声はかけない。
心の中では「上手に書けてるじゃん!何が気に入らないの?早く次の字に移らないと時間がなくなるよ!お友達と遊ぶ約束をしてるんだよねぇ〜」と声をかけたくてたまらない。
でも、ダメです。ここでそのような言葉をかけたら、彼女が強迫の悪魔に乗っ取られて、正気でなくなってしまう。彼女は恐らくこう言うでしょう「だって、上手に書けないんだもん。こことこことここが変なふうになっちゃうー」と泣きわめくでしょう。
なので、彼女が自分で「書けた!」と納得するまで、何も言わずにそーっと見守るしかないのです。
そのうち、お友達との約束の時間が迫ってきて、彼女の中の強迫の悪魔もあきらめだすのです。これが治療です。とにかく強迫の悪魔があきらめるのを待つ。なので、お友達って本当にありがたい存在ですね。強迫の悪魔に勝つ要素を沢山持っている。
もし、お友達と約束をしてない場合は、テレビを付けておくといいでしょう。強迫の悪魔に取り憑かれていても、好きな番組がやっていたら、集中して見たいという欲求が優って、強迫の悪魔はあきらめます。
こんな感じで何とか毎日の宿題を乗り切っていました。
加害恐怖
小学校に上がるとテストというものが存在します。まさか、ここで症状が現れるとは思いませんでした。
ある日学校から帰ってくると、
「ママー、今日テストがあったんだけど、隣の子の答え見ちゃったかもしれない。どうしよう、先生に言って、その分の点数引いてもらわないといけない」と半ベソをかきながら訴えてきました。
私はいつものように「へぇ〜、そうなんだぁ」と答え、曖昧にし、強迫の悪魔には答えないようにしました。
しかし、その事が気になったので、後日、個人懇談で先生にその事について聞きました。
すると、先生はとんでもない行動をしていたのです。なんと娘だけ席を友達から離して黒板の真前の席に移動させていたのです。
私は先生に聞きました
私「娘は先生になんと言ったのですか?」
先生「お友達の答えが見えちゃったと言ったから、じゃあ、席をここに移動する?と娘さんに聞いたら、そうすると言ったので移動しました」
私「そんな事したら、周りのお友達が不思議がりますよねぇ?大丈夫だったんですか?」
先生「〇〇ちゃんはみんながうるさくて勉強ができないからここの席にするんだってー。と言ったら、みんな不思議がらなかったですよ」
とこんなやりとり。
私個人の考えとして、この対応には不快しかなかったです。まあ、この他にもこの先生に対しては「ん?」って言う疑問が多かったですし、実は姉の学年も受け持った事がある先生だったのでその時から評判はイマイチでした。なのだ心配はしていたのですが、やっぱりかぁ〜と言う印象でしたね〜。
そして、家ではまた違った形で不完全恐怖が出ました。
ハンバーグの形が崩れていたら、暴れだすのです。ある日、ハンバーグが少し崩れてしまい、それを夕食にだしたら、「こんなぐちゃぐちゃなのは嫌だー」と怒りだしたのです。私はすぐに強迫だと気づきました。なぜなら、娘の目が強迫の目に変わったからです。
せっかくの楽しい夕食時だから、この強迫を早く治めさせるには、形のキレイなハンバーグと交換すればいいのです。しかし、それでは、治療になりません。絶対にこの形の崩れたハンバーグを娘に食べさせないといけないのです。
だから私は「今日のハンバーグはこれしか無いから、これを食べて!」
娘「こんなの嫌だ!パパのと交換して」
私「パパのはパパの。〇〇ちゃんのはコレだからコレを食べて!」
と言って、泣きわめいて、暴れている娘の事はスルーして、お姉ちゃんとご飯を食べ始めました。すると、数十分後には強迫の悪魔も諦めたのか食べ始めるのです。
そして、その時必ず娘は「ママ、ごめんなさい」と言って悲しそうに泣き始めるのです。こうなると、いつもの可愛い娘に戻った証拠なので、私は「いいよ。じゃあ、一緒に食べよ」と声をかけるのでした。
これがいつも決まった一連の流れです。これがかなりの労力を使うので、どっと疲れが溜まるのです。また、次々現れる新しい強迫症状に絶望し、娘の将来を悲観し、この先どうなるのだろうと不安にさいなまれ、毎日毎日、親子で精一杯生きていたのでした。